広大な敷地に点在する施設を繋ぐ無線ネットワーク

北海道の国定公園の大自然に囲まれた水族館

おたる水族館は、北海道小樽市北部に位置し、「北海道国定公園の大自然にある水族館」として人気の水族館です。

同水族館内の「海獣公園」エリアにあるアザラシやトドの展示プールは、海を仕切っただけの豪快なプールとなっており、コンブなどの海藻が生い茂り、魚が群れ、ウニやナマコなどの生き物も生息する、まさに海そのものの状態です。そのため、野生に近い状態の生き物の様子を見学できる貴重な水族館です。

効率的にサービス提供するために、施設同士を繋ぐ、安定した通信環境が不可欠

このたび、北海道の大自然に囲まれたおたる水族館にPicoCELAソリューションが導入されました。

導入に至った経緯や目的について、株式会社小樽水族館公社の総務部次長兼学芸員である古賀崇様にお話を伺いました。

敷地面積が約107,000平方メートルにもおよぶ広大なおたる水族館では、複数の施設が離れた位置に点在しています。
一方で、お客様へ効率的にサービス提供するために、それらの施設同士を繋ぐ、安定した通信環境が不可欠となっていました。

その一つが、駐車場の状況確認の課題です。
繫忙期には1000台以上収容できる駐車場が満車になるだけでなく、入場待ちの車列が渋滞を引き起こします。そのため、駐車場では専任スタッフが交通整理と空き場所の案内を行いますが、一般車だけでなく観光バスも定期的に到着するため、最新情報の収集が欠かせません。
ところが、バスの運行情報は本館事務所でないと確認が出来ないため、駐車場のスタッフさんはその情報を取得するため、内線電話をかけたり、ときには事務所まで往復したりと、労力がかかっていました。
そこで、もっと簡易にリアルタイムで情報収集ができないかと思い、つうけん様に相談をしました。

つうけん様からのご提案は、PicoCELAソリューションを導入することで、事務所から離れた場所にある駐車場でのWi-Fiが利用できるというものでした。
雪の多い北海道なので積雪によるLANケーブルの切断リスクを心配しましたが、PicoCELAソリューションであれば防水防塵仕様でLAN配線を行わずに済む無線ネットワークを構築することが出来るとのことでした。

「そのようなことが可能なのか」と思い、2023年11月頃に正式に構築を依頼したところ、わずか１ヶ月足らずという短期間で駐車場でも快適にWi-Fiが利用できるようになり、驚きました。
これにより、駐車場スタッフは本館事務所に確認をせずとも、リアルタイムでバスの運行状況などを把握することができるようになり、今後の業務効率の向上が見込まれます。

今後の展望

今回、水族館エリアだけでなく、遊園地エリアにもWi-Fi環境を構築しました。遊園地エリアでは、このWi-Fi環境をポスレジやカード決済で利用したいと考えています。
また、今回の導入により雪の多い北海道の屋外でも、PicoCELAソリューションであれば快適なWi-Fi環境を構築できることが分かったため、園内のイルカスタジアムや海獣公園エリアなどにも、Wi-Fi環境を拡げていくことも考えています。