「電波難所」の広大な寺院敷地で、安定通信を実現。
立教100周年行事に向けた通信環境改善。

広大な寺院敷地でも安定通信を実現したPicoCELA導入事例
導入企業: 念法眞教総本山金剛寺
導入製品: PCWL-0510 ×6台
PCWL-0530E ×1台
(予備機器:PCWL-0510 ×1台、PCWL-0530E ×1台)
導入内容: 2025年に立教100周年を迎える宗教法人 念法眞教 総本山金剛寺では、全国の信徒に向けて屋外年中行事のライブ配信を安定して実現するため、PicoCELAの無線通信技術を導入。広大な敷地における「電波の届きにくさ」という課題を克服し、寺院の景観に配慮しつつ通信インフラを整備。防災ネットワークや地域防犯にも応用可能なネットワークとして、今後の地域貢献にも期待が高まっています。

念法眞教総本山金剛寺について

大阪市にある念法眞教総本山金剛寺は、2025年に立教100周年を迎えた歴史ある寺院です。広大な敷地(境内地)と諸堂を有しており、その広さを生かして本堂内だけでなく、敷地全域で多様な年中行事が行われています。

地域社会においても、春には、広大な境内が桜花に包まれる中「花びより金剛寺」が催され、秋には、万燈のろうそくの灯りのもと、荘厳な諸堂が浮かび上がる「ほの灯り金剛寺」は、地域の人々にとっても、親しく愛される地域社会で大切な役割を担っています。

この度、その金剛寺の屋外敷地内でのインターネット配信を実現すべく、PicoCELA機器の導入が行われましたので、宗教法人念法眞教 責任役員の内野芳徳様に、導入に至った経緯についてお話を伺いました。

インターネット配信への取り組みと課題

「念法眞教の教えは、特定の行をしている人だけではなく、暮らしの中で体現するものである」との考えに基づき、現在のご燈主の先見の明もあり、金剛寺では2019年頃から本堂内での年中行事のインターネット配信に力を入れていました。これは、北海道から沖縄まで全国に広がる信徒の方々へ教えを伝えるためです。早くからインターネット配信を実現していたことから、コロナ禍という、一堂に会することが難しい社会情勢下においても、信徒へ教えを届ける有効な手段となりました。

一方、年中行事の中には、本堂内だけでなく、総本山の広大な敷地全域にて行うものもあります。その一つが毎年3月15日に行われる「廿五菩薩お練り供養・稚児行列」です。これは数百名が寺院敷地を練り歩く行事で、屋外で行われます。
屋内からの配信はこれまで多数実施してきておりましたが、屋外の年中行事のライブ配信は2024年に初めて実施しました。しかし、広大な屋外敷地内では、携帯電波環境が場所によって大きく異なり、モバイルルーターの回線では映像が途切れたり、不安定になったりするなど、安定した配信が行えませんでした。

インターネット配信への取り組みと課題

立教100周年に向けた配信環境改善プロジェクトとPicoCELAとの出会い

初めて屋外配信を試みた2024年の翌年である2025年は立教100周年にあたります。全国の信徒に向けて安定した屋外ライブ配信を届けたいという思いから、寺院敷地の屋外通信環境改善プロジェクトが始まりました。屋内のインターネット環境の構築にはこれまで株式会社ドコモビジネスソリューションズ、エクシオグループ株式会社、株式会社エクシオテックの方々が熱心に取り組んでくださっていましたので、屋外の通信環境の改善をしたいと相談したところ、提案されたのがPicoCELAです。
初めて聞く社名だったこともあり、検索してホームページを確認したところ、NTTグループなどに採用されている技術だと知りました。
そして、PicoCELAを屋外の寺院敷地内に適切に配置することにより、屋外での安定したライブ配信を実現できるインターネット環境を構築することが可能との説明を受け、導入を決定しました。

寺院景観との両立への配慮

寺院景観との両立への配慮

PicoCELAを設置するにあたり、寺院の景観への配慮が必要だと考えました。電波アンテナの設置は、寺院の景観を損なう可能性があります。しかし、全国の信徒への配信を実現することは、本山まで来たくても仕事やその他の事情で来られない方々へ教えを届ける重要な手段であると考え、設置方法を工夫しました。

その一つが設置場所と、必要に応じて設置する際の足場です。PicoCELAの設置場所は、景観を損なわずに電波環境をカバーできるよう配慮しました。また、景観を損なう可能性がある場所への設置では、ポールの色を本堂と同化させたり、必要に応じてすぐに取り外しが可能な足場を使用したりしました。その際、再設置時にアンテナの角度が変化してしまわないよう、足場の根元のねじを付け外しすることで、電波環境にも配慮しています。

PicoCELA導入による効果

PicoCELAを導入した効果としては、まず寺院敷地内の屋外エリアでの通信環境が整ったことが挙げられます。
次に、実際に配信実験をしてみたところ、全域をカバーするよう設置したものの、樹木の陰など、電波が届きにくいエリアがあることが分かりました。しかし、その原因が明確になったため、撮影方法の工夫などで補完できるようになりました。
これまでは、電波という目に見えない性質のものをコントロールするのに苦労していましたが、原因が明確になった安心感は大きいと感じています。

年中行事のインターネット配信には、シナリオ、MC(司会進行)、運営方法など多岐にわたる準備が必要ですが、今回のPicoCELAの設置により、電波環境の心配がなくなり、こうした他の課題への対応に集中できるようになりました。これにより、本堂内だけでなく、堂外のあらゆるエリアでの配信が可能となり、ライブ配信の幅が広がりました。

今後は、地域貢献の一環として、住民の方へも、寺院を開放した催事を推進し、雅楽や、だんじり、よさこいの披露など、地域の人々の活動とコミュニティを深める催事を予定しています。これら催事のリアルタイム配信も、今回のPicoCELAの設置によって可能となっています。

災害時ネットワークとしての活用と地域貢献

総本山金剛寺は、大規模災害時の地域の重要な災害対応施設・避難施設としての役割も担っております。今回のPicoCELAの設置により、本堂内のみならず堂外までもインターネットエリアとすることができたため、災害時の地域緊急用ネットワークとしての活用も考えております。

また、当院の目の前には国道が通っておりますが、地域住民の方々の安全・安心な暮らしづくりの一環として、この屋外インターネット環境を活用し、国道側の防犯カメラの設置・活用に活かすべく検討しています。万が一の事件・事故の予防や、発生後の検証等に活用いただくことで、地域の安全・安心な街づくりに貢献できると考えています。

販売店: NTTコミュニケーションズ株式会社
施工: エクシオグループ株式会社 関西支店 / 株式会社エクシオテック 関西支店

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