PicoCELA株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:古川 浩)は、福岡県直方市、スズキ株式会社、および株式会社KiQ Roboticsの協力のもと、屋外イベント等での通信品質を安定させる「伸縮ポール型モビリティ」の実証を開始しました。

本プロジェクトは、ポールによる「高さ」とモビリティによる「移動」を組み合わせ、従来の固定式基地局では困難だった遮蔽物の回避と、動的なエリア構築を目指すものです。

背景:仮設環境における通信の物理的限界

屋外イベントや工事現場では、以下の物理的要因が通信品質の低下を招いていました 。

遮蔽物の存在: 植栽や仮設設備により、電波の「見通し」が確保しづらい。
流動的な混雑: 時間帯で人の滞留場所が変化し、通信負荷が一部に集中する。
設置の制約: 恒久的な工事が難しく、迅速なエリア拡張が困難。

これらの課題に対し、IT実証都市として先進的な取り組みを行う直方市をフィールドに、新たな解決策を投入します。

実証の狙い:各社の技術を統合した移動基地局

本実証では、以下の要素を統合した「移動型基地局」の有用性を検証します。

スズキ(不整地対応の走行性能): 悪路や未舗装地でも安定走行が可能な多目的電動台車『MITRA』をベースとして活用。
KiQ Robotics(伸縮ポール技術): 耐荷重に優れた伸縮ポールを提供。通信機を最適な高さへ自在に昇降。
PicoCELA(無線メッシュ技術): 独自の無線技術により、配線工事不要で広域かつ安定した通信エリアを構築。
直方市(実証フィールド): 社会実装に向けた最適な環境を提供。

実証結果:通信環境の改善を確認

本実証により、設置高さの違いが通信品質に与える影響を定量的に確認しました。伸縮ポール高4mでは、特に距離が離れた環境において通信性能の改善が顕著となり、イベント会場や屋外空間における広域通信手段としての有効性が示されました。

見通しの確保による安定化: 高さを出すことで遮蔽物を回避し、通信品質が向上。
オンデマンドなエリア設営: 人が集まるエリアへモビリティを配置することで、柔軟な通信カバーを実現。
運用性の検証: 仮設環境下での機器の動作確認および安全性を立証。

今後の展開

実証結果を踏まえ、各種イベントでの利用に加え、以下の分野への展開を想定しています。

建設・インフラ現場: 資材が集積する現場での、高所からの通信カバー。
スマート農業: 植生の影響を受けやすい広大な農地での通信エリア構築。
災害対応: インフラ寸断地域への、迅速な通信環境の提供。