「配線なし・電源なし・時間なし」の三重苦を解決。
全長1kmの広大なコースを「半日」でエリア化した、完全ワイヤレスな即設ネットワーク

全長1kmの広大なコースを半日でエリア化した、完全ワイヤレスな即設ネットワーク
導入場所: 日本サイクルスポーツセンター(静岡県伊豆市)
イベント: 東京2025デフリンピック(自転車競技)
導入製品: PCWL-0510 × 7台
活用分野: イベント、スポーツ、屋外インフラ構築

導入の背景:初の日本開催、広大な屋外会場での通信確保

2025年、聴覚障がい者のための国際スポーツ大会「デフリンピック」が日本で初めて開催されました。
静岡県伊豆市の「日本サイクルスポーツセンター」で行われた自転車競技(ロード・マウンテンバイク)は、国内外から大きな注目を集める舞台となりました。本会場において、全体のネットワークおよび映像関連設備のシステム設計・施工を担当した株式会社静岡AVセンターでは、広大な屋外会場という条件下でも確実に機能する通信インフラの構築が求められていました。

聴覚に障がいを持つ選手や関係者にとって、SNSやテキストベースのコミュニケーションは必要不可欠なライフラインです。しかし、会場は起伏に富んだ屋外であり、既設の通信インフラだけではカバーしきれないエリアが存在しました。このような国際大会において、通信環境の整備は運営上の最優先事項でした。

導入前の課題:屋外特有の「3つの制約」

広大な屋外フィールドにネットワークを構築するにあたり、従来の有線・常設型ネットワークでは対応が難しい3つの大きな壁が立ちはだかっていました。

1. ケーブル敷設が不可能な「1kmの距離」

競技エリアは端から端まで約1km。この広範囲を有線LANで結ぶには莫大なコストと手間がかかり、物理的にも困難な環境でした。

2. 電源供給がない「パワーレス環境」

屋外コース上には電源設備がありません。通常のAPでは電源工事が必要となり、短期イベントでの導入は現実的ではありませんでした。

3. 開催直前の「時間との戦い」

導入決定から設置までわずか20日。ネットワーク設定には実質「半日」しか割けないという極めてタイトなスケジュールでした。

日本サイクルスポーツセンター 会場の様子
日本サイクルスポーツセンター 会場の様子

PicoCELAが選ばれた理由と解決策

限られた期間・電源・設置条件の中で確実にエリア化できる手段として、PicoCELAの無線メッシュ技術が採用されました。

1. 驚異的なスピード導入、構築はわずか「半日」

ケーブルレスなメッシュ構築により、大規模な配線工事をカット。機器の設置・設定自体はわずか半日で完了しました。これにより、開催直前の決定にも余裕を持って対応することができました。

驚異的なスピード導入、構築はわずか「半日」

2. バッテリー運用による「完全ワイヤレス化」

電源確保ができない中継エリアには、ポータブルバッテリーを採用しました。

  • コア機(親機): 発電機を使用し、安定したバックホール回線を確保。
  • ブランチ機(中継機): バッテリー駆動で稼働させ、夜間に充電・交換する方式。

この運用により、電源工事を一切行わず、屋外の最適な場所にAPを配置することに成功しました。

バッテリー駆動するPCWL-0510
設置されたアンテナとバッテリーユニット

3. 7台で1kmをカバーする「広域メッシュ」

コア2台、ブランチ5台の計7台という最小限の構成で、全長1kmのコースをフルカバー。予備コアを配置することで冗長性を確保し、万が一の障害時にも通信が途絶えない信頼性を担保しました。

会場全体のメッシュネットワーク構成図

導入の効果:選手と運営を支える「通信の絆」

選手の発信と業務連絡を支える安定稼働

構築されたネットワークは、選手や関係者専用のWi-Fiとして提供されました。リアルタイムな投稿や業務連絡に活用され、会期中トラブルなく安定稼働しました。

安定した通信を利用するスタッフ

多段ホップ技術による「通信網の拡張」

発電機による安定した親機を起点に、バッテリー駆動の中継機が次々と電波を中継することで、広大なエリアの無線化を実現しました。

多段ホップによる通信エリアの拡大

担当者からの評価ポイント

今回のデフリンピックにおける採用は、PicoCELAの以下の強みが発揮された結果です。

  • 即効性:直前のオファーに対し、半日での構築を可能にしたスピード感
  • 柔軟性:バッテリー駆動を組み合わせ、電源のない場所もエリア化
  • 広域性:わずか数台のデバイスで広範囲をカバーするメッシュ技術

PicoCELAは今後も、インフラ構築が困難な環境において、迅速かつ確実な通信ソリューションを提供してまいります。

システム設計・施工: 株式会社静岡AVセンター
販売店・技術協力: 加賀FEI株式会社

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